呉〜広島間の公共交通(バス)輸送,呉から広島へは時間が読めてよいものの,
広島から呉へは時間がかかる,という問題が続いていました.
広島から呉方面に通勤・通学される方も結構な人数がおられ,
特にお盆休み明けからは学校(高校)も始まるので,遅らせるわけにはいかぬ.ということもあり,
呉線が動いている坂駅〜南側に,バスの専用走行レーンを確保する,という策を提案していました.
【国土交通省中国地方整備局ホームページ】
http://www.cgr.mlit.go.jp/kisha/2018aug/180807-3top.pdf
これまでは,「自動車に影響を与えずにバスを優先する」というポリシーで,
様々な施策を提案,実現していましたが, 今回は実現までのスピード等もあり,
2車線ある車線を,1車線はバス用にするという施策です.
ただし,バスのみではなく,二輪車,タクシー,災害関係等車両も通行できます.
運用がはじまった本日,早速”効果”と”副作用”の計測と評価を行いました.
所要時間
今回は調査体制の関係で,これまで課題であった,坂→呉間の所要時間のみの計測となります.
ピーク時間帯に,実際にゼミの学生さんがバスに乗り込む方式で実施しました.
実施前(8/2(木))
坂:7:36出発→呉:8:31到着(55分)
(朝時間帯平均 58分)
↓
実施後(8/9(木))
坂:7:32出発→呉:8:02到着(30分)▲25分
他の時間帯は計測できていませんが,別途のデータで渋滞状況をウォッチしていましたが,
その傾向からは,前後の時間帯も同程度の時間で到着しているものと思われます.
実際に乗車した学生の感想ですが,
「早っ!何が起こったんだろうと思った」
の一言でした!
こちらの学生さん,災害後は初めて呉に来たのですが,”呉まで来れない,行けたとしてもメチャクチャ時間がかかると思い込んでいて,学校に行くのを躊躇っていた”ようです.
おそらく,市民や地域でお仕事をされている方々で,「公共交通で行けない,遅い,不便」と思われている方も多いと思います.
現在バスは時間が早く,読める状態になってきているので,是非ともバスをご活用ください!
なお,明日は往復ともに所要時間調査を実施する予定です.
渋滞
一方で気になるのが渋滞への影響.
車線を減らすので,「減らした分,渋滞が伸びるじゃないか!」という懸念.
こちらは,google map で渋滞状況が表示されるので,先週(8/2)のデータと本日を比較して見ておりました.
広島呉道路本線への渋滞は先週と変わらず,国道31号矢野・海田方面へは渋滞が若干伸びています.
ただし,坂〜水尻間は車線は減りましたが,逆に通過時間は圧倒的に早くなっていますので,
トータルの所要時間はほぼ変わっていない可能性もあります.
こちらはデータで別途検証してますが,大きい影響はなかったように思えます.
(警察による信号などの制御も効いている可能性大)
ということで,
広島〜呉間は,これで通勤時間帯はほぼ完成形かなと思っています..
次なる課題の1つは,呉〜広間.
こちらについては,現在信号制御の見直しにより,大幅に旅行時間が改善しています.
引き続き,こちらをウォッチしてまいります.
今回の施策の実現にあたり詳細を検討くださいました国土交通省,広島県,広島県警,呉市ほか関係各機関に深い感謝の意を申し上げます.