通行止の自動車専用道路を活用し,バスの所要時間短縮や定時性確保をめざす災害時BRT,先週(7/17〜)からの呉→広島の片道運行時は40分,長くても1時間チョイの所要時間を実現していますが,逆の広島→呉は,朝の時間帯が遅れがひどい状況です.
この遅れの影響を抑える方法が,本日国土交通省(本省道路局および中国地方整備局)から発表され,明日から運用がスタートします.
【報道発表資料】
<平成30年7月豪雨関連>
「広島呉道路坂北IC本線料金所にバス専用レーンを設置
~バス(災害BRT)の定時性確保に向けた取組を強化します~
国土交通省(本省)HPリンク・国土交通省中国地方整備局HPリンク (内容は同一です)
この方策について,すこし解説を加えたいと思います.
まずはこの写真.
昨日までの規制のパターンです.
坂北本線料金所通過後,すこしだけ片側2車線が続き,
その後,右側車線に規制車がでてきて,右側車線が閉鎖され,そのまま坂北インターまで,1車線が続きます.
この規制開始までの距離は,本線料金所までおおよそ300-400mぐらいでしょうか.
この写真は本線料金後直後の写真.
(上の写真の200-300m手前)
この時点で,右側車線は空いています.
空いている原因は大きく2つ.
1つは,本線料金所にETCレーンが1つしかないこと.そのため1車線に固まりやすい環境にあること.
もう1つは,これは広島の方の運転特性なのですが,
この先車線が減るとわかっていると,随分早くから1つの車線に並びます.
(以前住んでいた大阪では,こうはならないと思います)
では,BRTバスの走り方はどうか,というと,
本線料金所通過後,この車列と一緒に走っていて,
坂北インター(出口)を通過後,災害時BRT区間に入ります.
ということは・・・・
料金所通過後,自然に空いてしまっている右側車線と,
規制で空いてしまっている右側車線をつなげてしまえばいい.
カラーコーンの区間をのばして,規制車の位置も動かして,そこにバスや緊急車両を走らせる・・・そんな提案をしていました.
その結果,「特に運行ルート上のボトルネックとなっている坂北ICにおいて、本線料金所にバス専用レーンを設置」が実現することとなりました.
今日(7/25)の夕方の時点で設置作業は完了.明日26日の朝6時から運用がスタートします.おそらく,前例のない運用方法かなと思います.
この方法,現在空いている空間を使うだけなので,渋滞の車列にも悪影響がほとんどありません.
今回の”災害時BRT”のパターン2です.
もともと,規制車の位置がもったいないよな,とは思っていましたが,この方法に確信を持ったのは,7/17に自動車の走行時間調査に協力してくれた,同僚(で,高校の同級)の先生との車中での議論.資料にして提案し,今回も比較的短時間での実現となりました.
これにより,バスが渋滞に巻き込まれる長さが約1km短くなります.所要時間ですが,過去に実際に走行調査をした記録から推察すると,10-15分は短縮するのではないかと見ています.
もう1箇所,ここをこういう運用をすると,所要時間が短縮するんだろうな,という場所があるのですが,これは実現のハードルも結構高いので,実現し公表されましたらまたご紹介します.
あとは,広地区の渋滞・・・こちらも重要と認識していて,いろいろ検討しています.
昨日開催の「第6回 広島県災害時渋滞対策協議会の結果について(国土交通省)」に,「東広島呉道路の阿賀IC出口を先頭とする渋滞を緩和するため、左折レーンの増設など緊急交差点改良事業を推進する。」と議事録に出ているので,近々何か対策が形になるのでは,と思います.でもまだまだ対策としては足りないと思いますが,まずは,「できることから」とにかく進めていくのが重要ではないかと考えます.
アイデアを一緒に議論した三村先生,アイデアを聞いてくださり,実現に向け調整・作業してくださいました関係機関の皆様に御礼申し上げます.
※写真は安全に配慮して,助手席側から撮影してます.